早期発見・早期治療のために私たちができること 脳の健康、身体の健康、気になったらMRIを

MRI(核磁気共鳴画像)検査の特徴

MRI(核磁気共鳴画像)検査のメリット

MRI検査は、現在ある画像検査の中で最高水準のものであると言えます。ですから、身体の最も重要な器官である中枢神経系の「脳」や「脊髄」における微細な病変をも見逃さないという点において、一番効率的かつ正確な診断の一助となり得ます。


MRI検査と似た画像検査法にCT検査があります。CT検査はX線の照射により断層写真を得る手法ですが、MRI検査は磁力により断層写真を得る手法なので被爆の危険性は全くなく、CT検査より安全性が高い検査と云えます。また、CT検査よりも画像解像度が格段に高いので、身体の中が詳しくわかり、細部までチェックすることができます。

一般に、MRI 検査と云うと、脳に対する検査をイメージされる方が多いと思いますが、頸椎や腰椎に対する MRI 検査も多くの患者様が利用されています。頸椎や腰椎の単純X線写真では、椎骨の病変を捉えることはできても、軟骨である椎間板や、神経の束とも云える脊髄の病変までは解りません。しかし、MRI検査ならば、椎間板や脊髄の状態を含めた詳細な画像を撮影する事が可能であり、頸椎症性脊髄症や腰部脊柱管狭窄症の診断に大きな威力を発揮します。

MRI検査で得られた脳や脊髄の詳細な画像は診断に直結し、適切な治療の選択の根拠となります。さらに、MRI検査を再検する事で前回の画像との比較が可能となり、治療後の経過観察にも極めて有用です。加えて、当クリニックの MRI 検査では拡散強調画像 (Diffusion weighted image: DWI) を撮影する事ができます。この画像は新しいMRIの撮像技術の一つで、「急性期の病変のみ」を描出することができる大変優れた手法です。例えば、急性期(発症早期)の脳梗塞であるならば、約 6 時間程ではっきりとした高信号(白色)の病変として描出できます。通常のMRI検査の撮像方法では、「急性期の病変のみ」をくっきりと描出する事はできません。従って、拡散強調画像(DWI)を撮像可能な MRI検査装置は、置実地臨床の場で病気の早期診断に絶大な威力を発揮します。

当院で施行した拡散強調画像 (DWI)
右視床に急性期脳梗塞を示す高信号
(白色)病変が明瞭に描出されている

1週間後に施行した
反転回復画像 (FLAIR)
右視床に亜急性期脳梗塞を示す高信号 (白色) 病変が描出されている。

この様に、「MRI検査」にも特殊な撮像方法が幾つもあり、それぞれの画像に特徴があるのです。ですから、最も重要な中枢神経系のMRI検査の読影は、中枢神経系の解剖・生理・病態に精通した、神経内科専門医の判断にまかせるのがベストの選択と云えるでしょう。

MRI検査のデメリット

前述の如く、MRI(核磁気共鳴画像)検査は磁力により断層写真を得る手法で、X線を使用しないので全く被爆の心配はありません。

しかし、敢えてデメリットを挙げるとしたら、閉鎖式の筒型MRI検査装置の閉塞感と検査時の騒音でしょうか。従って、従来の筒型MRI検査装置では閉所恐怖症の患者様は検査を受ける事が困難です。

次いで、デメリットを挙げるとするなら、検査に掛かる費用が比較的高額である点でしょうか。医療保険が適用されているとはいえ、特に3割負担の患者様の中には、少しお高いと感じられる方も多いかもしれません。

 

しかし、健康は何よりも大切にすべき財産です。例え病気に罹っても、早期の診断と治療により症状を最小限に抑えることができれば、患者様の将来は全く違ったものになるでしょう。ですから、一般の総合病院ではMRI検査は大変な需要があり、殆ど常に予約で一杯の状況が続いているのが普通です。その結果、新規のMRI検査の予約が大分先になってしまったり、緊急時にMRI検査を施行するのが困難であったりするなどの弊害も出て来ています。

さらに、MRI検査を施行しても、すぐに結果が出る訳ではないので、検査結果の説明を受けるために別途に予約を取る必要があり、前述の予約困難な状況とも相俟って、多くの患者様にとってMRI検査は「敷居の高い」検査となってしまいつつあるのも事実です。
そこで当院では、本当に MRI 検査が必要な一人でも多くの患者様に迅速に検査を受けて頂き、原則として、MRI検査を施行後すぐに検査結果のご説明を行う方針を開院当初から示しております。この点に関しては、保険外診療である「MRI脳ドック」においても同様であり、患者様のニーズに合わせて、様々なコースをご用意して対応させて頂いております。「MRI脳ドック」の各コース内容はこちらでご確認いただけますが、まずは一度当クリニックにご相談ください。

こんな方に神経内科専門医の受診をお勧めします

最近気になる症状はありませんか?
以下のような症状や病気が気になる方は、ぜひ神経内科専門医を受診し、MRI検査を受けることをお勧めしています。

  • もの忘れがある
  • 頭痛
  • 頭重感
  • めまい 
  • 物が二重に見える
  • 歩くのが不自由
  • 手指のふるえ 
  • けいれん発作
  • 失神
  • うまくしゃべることができない 
  • 飲み込みにくい 
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 高脂血症
  • 高尿酸血症
  • 不整脈
  • 心疾患

青和クリニックにおける神経内科診療の特徴

最新の検査機器・充実した設備

( 1 ) 最新型のオープンタイプMRI検査装置
当クリニックでは、最新・高性能のオープンタイプMRI検査装置を導入しています。従来の閉鎖式筒型タイプと比べ、装置構造が開放性に優れているため検査時の騒音が少ないだけでなく、従来型では施行が困難であった閉所恐怖症の患者様でも安心して検査を受けて頂く事ができます。

 

加えて、拡散強調画像(DWI)や反転回復画像(FLAIR)の様な新しい画像撮像法も施行可能ですので、神経内科の診察で大きな威力を発揮します。当クリニックの様な規模の医療施設で、最新のオープンタイプMRI検査装置を導入している事例は未だ少ないのが現状です。日野市では、オープンタイプMRI検査装置の導入施設は当クリニックを除いて他にはございませんので、ぜひ、その開放感や静粛性を体感して頂きたく存じます。


一般に、地域医療を支える小規模なクリニックでは、MRI検査が必要な場合、地域の中核となる総合病院を紹介するのが殆どです。その様なケースでは、患者様は紹介状を持って病院を受診し、検査日の予約を入れて検査を受け、その後に改めて受診して検査結果の説明を受ける、と云った段取りとなり、肝心の検査結果を知るまでに数週~1カ月も費やす事も少なくありません。

 

しかし、開院当初より、当クリニックでは神経内科専門医による診察を行い、必要があれば迅速にMRI検査を実施し、検査結果も直ちにその場でご説明する方針を堅持しております。従って、患者様にとって極めて利便性の高い医療環境をご提供できるものと確信しております。幸いな事に、当クリニックの方針や利便性を高く評価し、来院して下さる患者様もたくさんおられます。

( 2 ) 心臓・頸動脈超音波検査装置 (心エコー・頸動脈エコー)、ホルター心電図検査
「脳血管障害」は神経内科の主たる疾患分野の一つで、大きな割合を占めています。脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血、慢性硬膜下血腫の様な疾患がこの分野に属している訳ですが、中でも脳梗塞は我が国の「国民病」とも云える病気で、不安定狭心症や心筋梗塞に代表される「心臓血管障害」と並んで所謂「3大疾病」の一角を成しています。結局のところ、「脳血管障害」と「心臓血管障害」の根は一緒で、高血圧とそれに由来する動脈硬化が主たる病因です。

加えて、動脈硬化を促進する因子として糖尿病や高コレステロール血症、高尿酸血症などの所謂「生活習慣病」が挙げられます。さらに脳血管障害には心房細動などの不整脈が原因で生じる「心原性脳塞栓症」があり、動脈硬化が原因で生じる「アテローム血栓性脳梗塞」と比べて脳梗塞の範囲が大きく重症であるのがその特徴です。従って「脳血管障害」は「全身疾患」の一部と看做すのが妥当と云えます。そのためにはMRI検査だけではなく、心エコーや頸動脈エコー、ホルター心電図検査を施行し、動脈硬化や不整脈の程度を分析し多角的に疾病を診断する技術が求められます。当クリニックには、私の担当する神経内科・内科・リハビリテーション科の他に、院長である妻・高橋佐智子の担当する循環器科・腎臓内科があり、関連した疾患を診察するに当たっての医療連携が容易です。様々な診療科の立場で、患者様の症状を診察し、正確な診断と治療に繋げることができるのも、当クリニックの強みの一つであると考えています。

神経内科専門医による正確な診断

皆様方が医療機関を選ばれるときに、最新鋭の医療機器や設備が整った施設が良いと思われるでしょう。確かに医療施設としてのハード面の整備は重要です。しかし、最新鋭の医療機器を用い、精密・鮮明な画像を撮影できたとしても、その画像を詳細かつ多角的に分析・検討し、正確な診断に到達できる専門医がいなければ何の意味もありません。

 

つまり、ソフト面もハード面と同じくらい重要なのです。前述の如く、MRI検査は脳や脊髄などの中枢神経系の画像診断に頻用されていますが、その読影には中枢神経系の解剖・生理・病態に関する詳細かつ広汎な専門知識が必要です。さらに、前述の如く、MRI検査にも様々な撮像方法があり、拡散強調画像(DWI)や反転回復画像(FLAIR)の様な最新の撮像方法にも精通している必要があります。

 

神経内科診察と画像診断を組み合わせ、病気を診断し、適切な治療を選択するには熟練の技術と経験が必要です。従って、より確実な結果を求めるのならば、神経内科専門医の在籍している医療施設への受診が不可欠となります。

検査後の適切な治療とリハビリテーション科の併設

病気の早期発見や診断が重要な事は述べるまでもありませんが、やはり最も重要なのは「適切な治療」であると云えます。神経内科の疾患では薬剤による治療が大きな割合を占めます。しかし、薬による治療のみでは不十分な場合が多いのも事実です。

神経内科の疾患には、脳血管障害の様に後遺障害を残す場合や、パーキンソン病の様に慢性進行性の経過を取る場合があります。これらの様な場合には、薬による治療のみでは不十分で理学療法によるリハビリテーションの併用を行うのが極めて有効です。

しかしながら、「外来」でのリハビリテーション科を標榜している医療機関は極めて少ないのが現状です。多くの総合病院ではリハビリテーション科を設置してはいますが、その対象は「入院患者様」に対する「回復期リハビリテーション」であり、退院後の外来通院のリハビリテーションまでは行っていないのが通例です。日野市近郊の医療機関でも、その殆どが上述の様な体制で運営されています。その最大の理由として、リハビリスタッフのマンパワーの不足から入院患者様の回復期リハビリで手一杯で、退院後の外来患者様のフォローアップまで、とても手が回らない点が挙げられます。

しかしながら、退院後もリハビリを継続しなければ「元の木阿弥」となってしまうのは火を見るより明らかな事です。薬による治療と理学療法によるリハビリは、言うなれば車の両輪の様なもので、どちらかが欠けても「車」は進まない様に、互いに補完し合う関係であると云えます。
当クリニックのリハビリテーション科では、外来通院される患者様を対象に、専任の理学療法士が患者様一人一人に最適なリハビリプランを立案し、マン・ツー・マンで徒手療法や動作指導、筋力訓練を行い、潜在能力を最大限に引き出せるよう努めています。日野市において、専任の理学療法士が外来患者様を対象にリハビリテーションを行っている医療施設は当クリニックの他はございません。当クリニックでは、医療保険を用いた疾患別リハビリテーション、即ち、脳血管疾患(脳梗塞後遺症・パーキンソン病・多系統萎縮症等)リハビリテーション、運動器疾患(頸椎症・腰部脊柱管狭窄症・変形性関節症術後等)リハビリテーションが適応となります。

ただし、介護保険を用いたリハビリとの併用は制度上認められていないのでご注意下さい。他にも日常生活でお困りのことや、ご自宅での介助方法などのご相談にも応じていますので、お気軽にお問い合せください。