早期発見・早期治療のために私たちができること 脳の健康、身体の健康、気になったらMRIを

気になる症状・頭痛

頭痛が気になる方へ

頭痛には、「急性頭痛」と「慢性頭痛」とがあります。
「急性頭痛」は、脳出血やクモ膜下出血、慢性硬膜下血腫などの脳血管障害が原因で起こる場合が多く、他には脳腫瘍や髄膜炎に代表される神経感染症が挙げられます。これらの疾患は何れも命に関わるため迅速な処置が求められます。神経内科の日常診療の中で、この様な緊急性のある頭痛を診る頻度は非常に少ないのですが、稀に遭遇する事があるので注意を要します。そのため、当クリニックでは、「頭痛」を主訴に受診される患者様には、原則として全て頭部MRI検査の施行をお勧めしております。

神経感染症は非常に稀ではありますが、見逃してはいけない疾患の一つで、神経内科の専門性が特に発揮される疾患とも云えます。即ち、ウィルスや細菌、真菌(カビ類)などの感染性病原体が頭蓋内に侵入して組織を破壊するのが神経感染症です。神経感染症では、時に「膿瘍」といって頭蓋内に膿が貯留する場合がありますが、その際には頭部MRI検査が威力を発揮します。

しかし、神経感染症の診断には、MRI検査の様な画像診断だけでなく、腰椎穿刺による髄液検査を組み合わせる必要があります。さらに、その治療にも高い専門性が求められるため、十分な経験のある神経内科専門医の判断にまかせるのが宜しいでしょう。


一方、「慢性頭痛」である片頭痛や筋緊張型頭痛、三叉神経痛などでお悩みの方は非常に多く、神経内科の日常診療で診る「頭痛」の患者様の大部分はこのタイプです。これらの「慢性頭痛」は確かに命に別状はないのですが、決して侮ってはならないものと考えています。「慢性頭痛」に対しては、MRI検査で頭蓋内に異常がないのを確認した上で、適切な薬による治療で痛みを和らげるのが最善の策と云えます。

「頭痛」は主観的な要素が強く、個々によって痛みの程度も異なりますが、頭部MRI検査により客観的な指標や安心感を得る事ができるので、その後の薬による治療にも大きく影響する場合が多いのです。また、筋緊張型頭痛の患者様は、しばしば頸椎症を伴っている場合が多いので、頭部MRI検査だけでなく、頸椎MRI検査も別途施行することを当クリニックではお勧めしております。

頭痛の原因として考えられる主な疾患 急性頭痛:脳出血、クモ膜下出血、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、神経感染症
慢性頭痛:片頭痛、筋緊張型頭痛、群発頭痛、後頭神経痛、三叉神経痛